パーソナルカラー診断士、婚活カウンセラーとしての活動を軸に、研修講師、心理学トレーナーとしても活躍する高尾華奈さん。5歳から82歳まで、年齢や性別を問わず様々な人の自信と魅力を引き出すサポートを行っています。
そんな華奈さんも、かつては自分に自信が持てず、「こじらせ女子」だった時代があったそうです。どのようにして自分を乗り越え、現在の活動へと繋げていったのか。
「日本をカラフルにしたい」というビジョンを胸に歩み続ける華奈さんの、これまでの歩みを伺いました。

外見も、心も。「その人らしさ」を表現するお手伝い
――外見プロデュースに結婚相談所の運営、講師や心理カウンセラーなど、幅広く活動されていますよね。
もともと、パーソナルカラーを取り入れた外見プロデュースと、母から引き継いだ結婚相談所事業を軸に活動してきました。そこから少しずつ講師やカウンセラーとしてもお仕事する機会をいただくようになり、活動の幅が広がっていきました。色々なことに取り組みながらも、私の中では全て「自己受容・自己表現・他者受容」という1つの軸で繋がっています。自分の魅力も弱さも受け入れ、自分らしい表現を楽しめるようになると、自然と他者も受け入れられるようになるんです。
――パーソナルカラーや外見のサポートを通して、大切にしていることは何ですか?
カラーコーディネーターの仕事は、その方が本来持っている魅力を引き出すこと。単に「似合う色」を当てはめるのではなく、クライアントが本来持っている魅力や持ち味を、色を通して一緒に見つけていきます。私自身、自分に似合う色を日常に取り入れるようになってから、人に褒められることが増え、少しずつ自信が持てるようになりました。内面の状態は、やはり顔つきに現れてしまうもの。どんなにきれいにお化粧をしていても、心の中で自分を卑下していたら、表情にもそれが現れてしまう。とはいえ、自信のない人に「明日から自信を持って生きよう」と言っても、難しいですよね。でも、「明日から、自分の魅力が引き立つ色を着てみよう」と言ったら、できそうな気がする。色は、心を変えるためのきっかけとして、無理なく取り入れられる方法だと感じています。
現在もママさんや学生さん、経営者の方など、年齢や性別もさまざまな方のサポートをさせていただいています。「自分を知ること」「自分を心地よく表現すること」は、どんな人生の段階にいる人にも大切なこと。そんな考え方を、より多くの人々に届けていきたいと思っています。
――華奈さんのインスタグラムも、ファッションがカラフルで素敵ですよね。
色彩を楽しんでいる私自身の姿を、ありのまま発信することを大切にしています。「ちゃんと発信しなきゃ」「役に立つことを書かなきゃ」と思っていた時期もあったのですが、私が私として自己表現を楽しんでいる様子を発信するようになってから、よりたくさんの方々から反響をいただくようになりました。
――結婚相談所でも、色彩や心理学を取り入れたアドバイスをされていると聞きました。
色彩や心理学を学んできたことを強みに、外見と内面両方から自信に繋がるサポートを行っています。これまでたくさんの方の婚活のお世話をしてきましたが、例えば、会員さんの中には「私は絶対選ばれない」と無意識に思い込んでいる方もいらっしゃいました。私自身もかつてそうでしたが、自分に自信がなくて、卑屈になってしまう方は自分の魅力が出せなくなってしまうんです。卑屈さを手放すための一つの方法として、「外見力を高める」というアプローチは、とても有効だったと感じています。

――学校や保育園での講座もされていますが、教育の現場では、どのようなことを伝えているのですか?
学校や保育園では、自分らしい色を見つけることを入口に、「自己受容」と「他者受容」というテーマでお話しをさせていただいています。これは子どもたちだけのテーマではなく、大人にとっても大切なことです。子どもたちが一番影響を受けるのは、やはり身近にいる大人の存在。親や先生など、そばにいる大人が自分自身をどう扱っているか、また他人をどう見ているかは、言葉以上に子どもに伝わってしまいます。PTA向けの講座では、子どもに何かを教える前に、まず大人自身が「自己受容」や「他者受容」をどう捉えるべきかをお話ししています。

自分に自信がなかった学生時代
――ファッションや外見磨きに興味を持ったきっかけは何ですか?
小学生の頃から少女漫画が大好きで、特に愛読していたのが矢沢あい先生の『ご近所物語』という作品でした。服飾系の専門学校が舞台の恋愛漫画で、可愛い女の子やかっこいい男の子がたくさん登場するんです。「私もこんな風にキラキラたい」「彼氏が欲しい」と憧れ、もともと恋愛体質だったこともあって、自分磨きは小学校高学年から意識していましたね。その延長で、進学先も服飾の専門学校に決めました。
――一方で、外見へのコンプレックスも強かったとか。
中学3年生頃から思春期ニキビが一気に増えて、それが大きなコンプレックスになっていました。外見だけでなく、「あの子は勉強ができる」「あの子は運動ができる」と、周りと比べては、「私は何もできない。勉強も運動も普通だし、ニキビ肌だし……」と、どんどん自分を下げてしまって。人と比べることが癖のようになり、とにかく自分に自信がなかったです。さらに体重も増えていき、高校生から短大時代にかけては、かなり太っていました。
――当時の自己肯定感の低さは、恋愛にも影響していましたか?
学生時代に付き合っていた彼氏は、今振り返るとモラハラ気質だったと思います。「バカ」「デブ」といった言葉を投げかけられても、当時の私は怒るどころか、「こんなバカでデブな私と一緒にいてくれてありがとう」と思ってしまっていて……。「携帯代が払えなくて、連絡が取れなくなる」と言われれば、「この人と連絡が取れなくなったら困る」と思って、毎月の携帯料金を払ってあげたり。その当時もファッションは好きでしたが、派手な柄のアイテムばかり着ていました。自分に自信がないことを、周りに知られたくなくて、戦闘服のように派手な服装で自分を守っていたんだと思います。

「自信がない」を手放せた瞬間
――そこから、どのように自信を取り戻していったのでしょうか。
今の夫と出会う前に、ダイエットに成功したんです。1年ほどかけて、10キロ以上体重を落としました。すると、合コンでの男性の対応が明らかに変わっていったんです。そんなタイミングで出会ったのが、今の夫です。それまでの恋愛では、否定されることばかりでしたが、夫は初めて私のことを「尊敬している」と言ってくれた人でした。
――ダイエットの力、恐るべしですね。
当時の私にとって、痩せたことが自信につながったのは確かです。でも本当に大切だったのは、体重そのものよりも「マインドが変わったこと」だったと思っています。外見に自信を持てたことで心にも変化が起き、引き寄せる相手を変えたのだと実感しています。
――それから結婚・出産を経て、現在の事業を始められたわけですね。自分で事業をすることに、不安はありましたか?
すごく不安でした。婚活のお世話をする立場なのに、「こんな私がアドバイスしていいのかな」と、ずっとビクビクしていて。もちろん、目の前のお客様には全力で向き合いますが、内心では「分からないことを突っ込まれたらどうしよう」「自分が対応できない事態が起きたらどうしよう」と、常に壁を作って接してしまっていました。
――変化するきっかけはあったのでしょうか?
このままでは、人と本当に深く向き合えない。そう悩んでいたときに、偶然、心理学のセッションを受ける機会がありました。3日間のコースを終えたときは、「鎧を全部脱いだ」という感覚でした。それまでの私は「婚活カウンセラー」や「色彩の講師」という鎧を重ね着して、弱い自分を見せないようにしていました。でも、その3日間で出てきた本音は、「ありのままの私でも、愛されたい」という気持ちだったんです。鎧を着ていたら、ありのままの自分は、誰にも見せられない。そう気づいた瞬間、パーンと何かが外れた感覚がありました。
ーーすごい体験ですね。そこからお仕事の向き合い方に変化はありましたか?
それからは、 今持っている自分の能力を、100%相手に向けて出すことだけに集中できるようになりました。分からないことは、「分からないので調べますね」と言う。 カッコつけない。ごまかさない。そんな自分で人と向き合えるようになったら、怖さが減って、 人と向き合うこと自体が楽しくなっていきました。
覚悟を決めたら、新しい道が開けた
――その後事業は順調に進んでいったのでしょうか?
実は一度、結婚相談所の会員さんがゼロになった時期がありました。その時は、自己肯定感の低い自分が再び顔を出して「このまま事業を畳んでしまおうか」と思ったほどです。でも不思議と、立ち直りは早かった。「どうせ辞めるなら、最後に100%やり切ってみよう」という心境になりました。「もう失うものはない」と腹を括ってがむしゃらに集客したところ、3ヶ月ほどで会員さんが10人に増えました。
覚悟を決めてやり切ると決めた途端、思いがけないご縁もつながっていきました。400人規模の結婚相談所と業務提携することになり、その相談所の会員さんの外見に関するお悩み相談を担当させていただくことになったんです。同じ業界でも、競争するのではなく、「自分の得意なこと」で関われば、一緒に仕事ができるのだと学びました。
――一度絶望しても立ち上がって挑戦を続ける。そんな華奈さんの原動力はどこにあるのでしょうか?
「私は、こんなもんじゃないぞ」という感覚が、ずっと心のどこかにありました。自信がなくて卑屈になっていた時期もありましたが、振り返ると、心の奥ではずっと「私は何かを成し遂げる人だ」という思いを持っていたと思います。学生時代も、特別に目立つタイプではありませんでしたが、部活の部長や体育祭の応援団長など、「やりたい」と思ったことには踏み込んでいました。好きな男の子にも、ダメ元で告白していましたね。たとえうまくいかなくても、「やってみた」という事実が、次に進むためのステップになる。今の仕事でも、ご縁をいただいた方には、「私、こういうこともできます」と自分からアピールするようにしています。ゴリゴリ営業をするわけではありませんが、チャンスがあれば掴みにいく。その姿勢は、昔から変わっていないですね。
――今後の目標を教えてください。
ひとつは、結婚相談所がいらない世界をつくることです。 結婚がすべての人にとってのゴールだとは思いませんが、「結婚したい」と思う人が、それを自然に叶えられる社会であってほしい。自分のタイミングで、自分と相性の合う人と出会い、心地よくパートナーシップを育てていける。自分の状態が変わると、無理をしなくても、自分に合った人と自然に出会えるようになるんです。学生さんに向けてお話する時も、「ただ恋愛をするのではなく、まずは自分を認めた上で、自分を大切にしてくれる人と出会ってほしい」ということを伝えています。私が講座でお話をした学生さんたちが10年後に「結婚しました」「子どもが生まれました」という報告になって返ってきたら、それ以上に嬉しいことはありません。
そしてもうひとつの大きな目標が日本をもっとカラフルにするということです。色を楽しみ、自分を表現することが、 もっと当たり前になる日本にしたい。もともと島旅行が好きなので、日本にカラフルな島を作れたら素敵だなと思っています。

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